脳画像の利用の仕方 FOR PT,OT,ST

PT,OT、ST向けの脳画像の読み方をMRIを中心になるべく簡単に解説してみる

前頭葉背外側部の同定と役割 MRI・CT

背外側部の同定

下図の青の部分が背外側部になります。

さて、実際の脳画像ではどの部位になるでしょうか?

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脳回の同定では、ちょうど、中前頭回が背外側部になります。

ザリガニ~上の中前頭回が背外側部ですね。

同定の仕方は、中心溝の同定の仕方のところで解説しましたので、わからない方はそちらをご覧ください

tsukasaseikatsu.hatenablog.com

 背外側部の役割について

教科書てきには

前頭葉は知覚連合野と大きな結びつきが強い。

 遂行機能障害が有名な障害になります。

  ①目標の設定 ②計画の立案 ③目標に向かって計画を実際に行うこと ④効果的な行動を行うこと

 

 その他、認知的側面、記憶活動の障害が強く症状としてでてきます。

 

なるべく簡単に考えると

 「柔軟に考えること、することが難しくなる」・・・固着傾向とか保続といわれるものです。

 

 例をあげると 食事中にテレビに熱中すると食事の動作が止まってしまう。

 

 新聞をとりに行くついでにゴミ捨てを頼むと新聞を忘れてしまう

 

 集中できずに飽きっぽい、一つのことに注意すると他のことに注意が向かない

 〇〇しながら なにかのついでが難しくなる 注意障害

 「ものごとを順序よく行う機能」 遂行機能障害

 また、この部分は前頭葉のワーキングメモリに携わっている場所でもあります。短期記憶の障害

 他には、書字中枢もある場所です。

 

 

ワンポイントアドバイス

 中前頭回は、血流領域で考えると中大脳動脈の前枝梗塞で障害がされやすい場所です。左の脳であれば、ブローカ野も含まれることが多いですし、超皮質性運動失語の局在部位と考える場所も含んでいます。

 言語の障害の重症度をみるときは

 中心前回の中~下部の障害を含むのか?・・・発語失行

 ブローカ野の障害・・・文の構成能力の低下

 背外側部の障害・・・短期記憶の障害、書字障害

なんてことを画像から、推測することできます!