脳画像の利用の仕方 FOR PT,OT,ST

PT,OT、ST向けの脳画像の読み方をMRIを中心になるべく簡単に解説してみる

ラクナ梗塞の部位と症状のみかた 考え方 MRI・CT

ラクナ梗塞の部位と症状

無症候性脳梗塞ともいいますが、実際は、梗塞部が

・1.5cmを超える場合

・梗塞部位が拡大融合すると症状として現れてきます

私の考えでは、無症候性というより、ただ、自分自身が気づいていないだけなんではないのかなぁと思います。

小さい梗塞なので、症状もほんとに微々たるもののため、すぐに他の正常組織が代償してくれるのだと考えます。

なんか調子が悪いけど気のせいかなぁという感じで病識がないのだと思います。

さて、ここでは症状が強くでてくるラクナ系の梗塞巣についてまとめてみます

 

無症候性脳梗塞の模式図

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(a)は点状の小血管周囲腔の拡大・小梗塞巣と考えます。基本的には正常像と考えます

(b)、(c)は preiventricular cap、periventricular rimと呼ばれ、病的な意義はありません。正常像と考えてください

(d)は白質虚血性病変とよばれ、拡大・融合すると脳機能の低下をもたらします。

(e)は側脳室後角周囲の白質病変で髄鞘化や血管周囲腔の拡大などによるものです。

(f)は側脳室前角周囲の病変で、拡大・融合すると知的機能障害や尿失禁などの原因とります。

(g)はsubinsular infacrct

(h)は基底核のラクナ梗塞または血管周囲腔の拡大になります。

 

ということで、注意すべき場所は (d)と(f)の領域に拡大・融合する病変がある場合は、症状が現れてきます。

私の印象では(f)にて前頭葉症状、尿失禁が現れることが多いと認識しています。

(d)ではその近くの皮質の症状があらわれていることが多いです。

 

拡大・融合とは?

臨床を経験する画像を並べてみました。

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赤〇で示したようなものを拡大・融合と呼びます。

他のものは、正常範囲(正常範囲の老化)と考えた方がいいと思います。

 

異常と考えるラクナ梗塞の症例

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