脳画像の利用の仕方 FOR PT,OT,ST

PT,OT、ST向けの脳画像の読み方をMRIを中心になるべく簡単に解説してみる

頭頂葉の障害部位と症状 MRI・CT

頭頂葉の障害部位と症状について

 

脳溝・脳回が同定できるようになったら、それを臨床に利用することが大事です。

なるべく簡単にまとめていきます。

 

左右どちらの脳でも現れる症状

主なものには構成障害、肢節運動失行、自己身体定位障害、把握障害、視覚性運動失調などがあげられます。

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おおむね上記のような形で認められることが多いようです。

これには障害発生部位などには個人差やまだ、脳機能にはわかっていないところもたくさんあります。

 

左半球の障害で現れる症状

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縁回・・・伝導失語(音韻、情報の把持の障害)

角回・・・失読失書

頭頂間溝・・・純粋失書

角回~縁上回~頭頂間溝・・・観念運動失行

縁上回~側頭後頭葉・・・観念失行

頭頂間溝~上頭頂葉小葉・・・失計算

その他

角回(急性期)・・・ゲルストマン四徴症

頭頂間溝ー上頭頂葉小葉・・・短期記憶障害(ワーキングメモリ)

 

右半球の障害で現れる症状

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縁上回・・・半身無視

縁上回~角回~側頭葉(皮質皮質下)・・・半側空間無視

角回~後部頭頂間溝・・・着衣失行

 

まとめ

頭頂葉の働きとして下図を参考に画像を読むと理解が深まります

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つまり

頭頂葉小葉の前側は、体性感覚の影響を受けた障害が現れる

後頭葉に近い場所の障害は、視覚の影響を受けた障害が現れる

角回や縁上回はいろいろな感覚が集まり集約されている場所なので、多岐にわたった障害が現れやすい。イメージをする場所として使われていると考えるといいかもしれません。