脳画像の利用の仕方 FOR PT,OT,ST

PT,OT、ST向けの脳画像の読み方をMRIを中心になるべく簡単に解説してみる

頭頂の脳回の読み方 MRI・CT 頭頂間溝の探し方

頭頂間溝の同定方法

脳の画像の上の方(てっぺん)の画像を使用して同定していきます。

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特徴

頭頂間溝は(左脳の場合)右斜め上方に進んでいき、中心後溝につながる。

下図のイメージです。青が頭頂間溝、紫が中心後溝です。

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頭頂間溝は、蛇行していて、M字に描出されることが多い

ということで、下記のようなイメージに変更してください

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頭頂間溝の外側が下頭頂葉小葉、内側が上頭頂葉小葉になります。

緑の脳回が上頭頂葉小葉、青の脳回が下頭頂葉小葉(角回・縁上回)

になります。

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頭頂の脳回の読み方 MRI・CT

頭頂葉の同定の仕方①

 

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頭頂葉小葉、縁上回、角回、頭頂間溝がわかるようになることが大事です。

 

角回をダイレクトに見つける方法(縁上回も)

 

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脳画像のソラマメが写っている写真を利用します。

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この画像です。なるべくソラマメが小さい画像(右)の方がいいです

その理由は

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ソラマメの画像に角回が接するのは、ソラマメが写っている画像の上は頭頂葉、下は側頭葉に接してしまします。角回の前には縁上回も接していますので、角回を見つけると自動的に縁上回もみつけることができます。

 

それでは、角回の見つけ方です

ソラマメの画像より側脳室の向きに合わせて矢印を引きます

その指示した部分の脳回が角回です。

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そして角回の前は縁上回なので水色が縁上回そのさらに前は中心後回になります

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というようにとっても簡単でした。

 

 

 

 

 

脳の位置関係 脳室を利用した脳の高さの考え方

脳の高さと位置関係

脳の画像に目印をつけよう!

脳ってあまりわかりやすい覚えやすい目印がないんです・・・

なので無理やりつけちゃいましょう

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まず簡単なところから

ソラマメがありますね。第1、2脳室(側脳室)

 

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 それから

 さかさザリガニがいます

 

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さらに

 巨神兵がいました^^ 

 

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ウィルス動脈輪が移っている場所がそういうふうに見えます

 

 その他に脳幹を利用すると

中脳がミッキーになります。

 

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 ミッキーの鼻は中脳水道と覚えてください

 脳幹の橋は歯があります。

 

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歯根の部分は第4脳室です。

 

以上をまとめると

 

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こちらのイメージを頭に覚えておいてください。

これを画像の位置情報として使用します

下記のスライスと脳幹、絵の情報を合成して覚えると、脳の高さの位置情報がわかるんです。

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 ソラマメが移っていない部分は、脳の上の部分

ザリガニが移っていたら脳の中心部

巨神兵がいたら、脳の下の方を見ていると理解してください。

 

脳の高さの情報は非常に重要になりますので

しっかりと頭の中に入れましょう。

 

左右の脳の役割分担だけでなく、上脳・下脳: 脳と人間の新しいとらえかた なんていうふうな分類もあります

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中心溝の臨床利用 言語聴覚士さん必見

中心溝の利用の仕方②

さて、上方の中心溝の利用の仕方はわかっていただけたと思います。

次は中心溝を下方にたどっていきましょう!

これはとっても簡単です。

モニタ上に中心溝を特定し、指で押さえます。

指は動かさず、画像を送っていくと・・・

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とこのように中心溝をたどっていくことができます。

中心溝の最後は、島回までです。

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中心前回の中心部は、脳室が現れたあたりになります。

つまり、脳室が出現したら、そこから下は顔や口の領域になるので、ST(言語聴覚士)さんがふかーくかかわる領域になります。

 

ちなみに中心前回の中~下部は、発語失行、口腔顔面失行、純粋誤唖というわれる病態が現れる領域といわれています。

 

ということで、中心溝を同定することができると画像より、

発語失行の起こりうる中心前回の中~下部の障害の程度を覗くことができるんです。

 

 

脳の画像の読影に役立った本の紹介

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MRIの信号の意味、T2強調画像の意味などMRIの知識の入門書です。 ちょっと、MRIをしりたいという方にはおすすめの本です

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臨床の教科書だと思います。迷った時はこの本を見ています

中心溝を見つけて、臨床に利用するには?

中心溝の臨床利用①

中心溝をみつけたら、さっそく臨床利用していきましょう!

中心溝の前の脳溝は、中心前回です。逆に後ろは中心後回です。

中心前後回は大脳の小人がいるって授業でならいましたよね?

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中心前回には上記のような配列で支配域がおおむね決まっています。

頭のてっぺんの方は身体を動かす領域(PTさん、OTさんがかかわる領域)、頭の下の方は(STさんがかかわる領域)ということが理解できます。

さて、実際の画像で見ていきましょう!

まず、頭のてっぺんの方の領域です

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わかりやすく小人を並べると、こんな感じです。

また、Ωのこぶの部分は 力こぶサイン precentral knob といわれていて、手の動きを担当する部位になります。(moter hand area)

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豆知識

 

血流領域の図を下記に示します。

水色が前大脳動脈域 赤が中大脳動脈域です。

前大脳動脈域の脳塞栓症などで青の血流領域が障害された場合の症状は・・・

下肢に強い麻痺が現れます。ちょうど、上図の下肢の領域と前大脳動脈域の領域が合致してますよね?

中大脳動脈域(赤)は手の領域に合致しますので、上肢に麻痺がでそうな気がします。

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中心後回も同じです。ただ、こちらは運動ではなく、感覚を担当する場所になることと、頭頂葉後頭葉と結びつきが強いため、空間的な感覚や視覚と密接に関係してきます。こちらに関しては、頭頂間溝の話で書いていこうと思います。

 

中心溝の探し方②

中心溝の同定法②

帯状溝辺縁枝法

 

大脳縦烈(赤線)にそって降りていくと、左右一対の脳溝が見つかります。

これが帯状溝辺縁枝(紫線)です。

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帯状溝辺縁枝を伸ばす(延長する、緑矢印)と中心後溝につながります。

中心後溝の前の脳溝が中心溝となり、同定することができます。

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補足として

 

中心後溝の特徴

中心後溝は、Y字で終わり、帯状溝辺縁枝と向き合います。

Y字サインなどと呼ばれています。

これをしっているだけで結構、簡単に脳溝を見つけやすくなります。

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④(太さで比較する方法)

これも逆Ω法と同じでとても簡単な方法です。

知識として知っておいてください。

 

中心前回と中心後回は中心前回の方が太い!

じーーーーと、下の画像を眺めてみてください

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なれてくると逆Ω法と太さで比較する方法を用いることで高い正答率が得られます。

 

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