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脳画像の利用の仕方 FOR PT,OT,ST

PT,OT、ST向けの脳画像の読み方をMRIを中心になるべく簡単に解説してみる

前頭葉眼窩面(腹内側面)の同定と役割について MRI・CT

前頭葉

前頭葉腹内側面の同定

眼窩(目玉)のすぐ上の脳回(赤)が眼窩面とか腹内側面と呼ばれる前頭葉の脳回になります。画像を動かして目玉の現れたスライスの上~脳室(ザリガニのしっぽ)が現れたぐらいまでを指します。図を参照していただければわかりますね。

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ちなみに、臨床で経験される眼窩面の障害で多いのは、くも膜下出血後の患者様ではないでしょうか?

下図のように、巨神兵が写っているスライスはウィルス動脈輪がある脳の場所です。

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この部分には動脈瘤ができやすい。下図参照。

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この大きな動脈瘤が破裂すると

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こんな形で、眼窩面が障害されます。

 

腹内側面の役割

教科書的な役割

 人格情動障害:日常生活で、乱費、失職、対人関係障害など社会的行動的障害

 

簡単に考えると

 酔っ払い状態です。・・・抑制ができなくなってしまう、無礼講

  抑制の欠如、感情失禁、反社会的、人格崩壊・・・辺縁系に対する前頭葉の抑制の障害

 

 金銭管理ができなくなり、多額の借金をしてしまう。目先の利益にひかれて衝動的に行動してしまう

 

 記憶の再生時に時間の符号の想起ができなくなる⇒昔のことが今日のようになってしまう⇒ 作話・コルサコフ症候群

 

ここでは以上のようなことを覚えておいていただければいいと思います

前頭葉背外側部の同定と役割 MRI・CT

前頭葉

背外側部の同定

下図の青の部分が背外側部になります。

さて、実際の脳画像ではどの部位になるでしょうか?

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脳回の同定では、ちょうど、中前頭回が背外側部になります。

ザリガニ~上の中前頭回が背外側部ですね。

同定の仕方は、中心溝の同定の仕方のところで解説しましたので、わからない方はそちらをご覧ください

tsukasaseikatsu.hatenablog.com

 背外側部の役割について

教科書てきには

前頭葉は知覚連合野と大きな結びつきが強い。

 遂行機能障害が有名な障害になります。

  ①目標の設定 ②計画の立案 ③目標に向かって計画を実際に行うこと ④効果的な行動を行うこと

 

 その他、認知的側面、記憶活動の障害が強く症状としてでてきます。

 

なるべく簡単に考えると

 「柔軟に考えること、することが難しくなる」・・・固着傾向とか保続といわれるものです。

 

 例をあげると 食事中にテレビに熱中すると食事の動作が止まってしまう。

 

 新聞をとりに行くついでにゴミ捨てを頼むと新聞を忘れてしまう

 

 集中できずに飽きっぽい、一つのことに注意すると他のことに注意が向かない

 〇〇しながら なにかのついでが難しくなる 注意障害

 「ものごとを順序よく行う機能」 遂行機能障害

 また、この部分は前頭葉のワーキングメモリに携わっている場所でもあります。短期記憶の障害

 他には、書字中枢もある場所です。

 

 

ワンポイントアドバイス

 中前頭回は、血流領域で考えると中大脳動脈の前枝梗塞で障害がされやすい場所です。左の脳であれば、ブローカ野も含まれることが多いですし、超皮質性運動失語の局在部位と考える場所も含んでいます。

 言語の障害の重症度をみるときは

 中心前回の中~下部の障害を含むのか?・・・発語失行

 ブローカ野の障害・・・文の構成能力の低下

 背外側部の障害・・・短期記憶の障害、書字障害

なんてことを画像から、推測することできます!

 

 

前頭葉 内側面(補足運動野)の役割

前頭葉

前頭葉内側面の役割

 内側面は、大脳辺縁系基底核などと密接に連絡をとっています。

つまり、難しくお話しすると

発動性障害が現れることになります。

発動性障害とは、運動の減退や開始の遅延さらに悪化すると無道性無言状態になります。

覚醒の低下、注意水準の低下などが代表例です。

 

簡単に言えば、内側面の障害がみられると、情動つまりはやる気(元気)がなくなってしまい、最終的にはおじぞうさんのようになってしまうということです。

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内側面の探し方

内側面は、脳室(ソラマメ)が描出されていない、大脳縦裂と接している脳回、もしくは、上前頭回を指しています。普段の臨床で、患者様を観察していて覚醒が悪いなとか、運動の開始、言葉の開始が遅いなと思ったら、画像を参照し、病変が内側面にないかチェックしてみてはいかがでしょうか?

 

内側面が同定できない方は下記の記事をお読みください

tsukasaseikatsu.hatenablog.com

tsukasaseikatsu.hatenablog.com

 

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ガッツリ、障害されている例は、前大脳動脈域の脳塞栓症の患者様や、ラクナ梗塞の融合がある方なんかが臨床でよく経験します。

※ 内側面は脳の可塑性が強い部分です。治癒する可能性が高いってことですね

 

 

 

 

前頭葉の脳の分類について MRI CT

前頭葉

前頭葉の区分

いろいろな分類がありますが、脳の画像をみるうえでしっておいてほしい分類を掲示します。

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上記のように前頭葉はまず、

前頭前野、前頭眼野、運動前野にわかれさらに、前頭前野は、眼窩面、内側面、背外側面という形で呼ばれます。

また、眼窩面については、内側面も含んで腹内側面などとも呼ばれてとても混乱しやすいところなので、上図でしっかりと確認しておいてください。

 

 

ラクナ梗塞の部位と症状のみかた 考え方 MRI・CT

ラクナ梗塞について

ラクナ梗塞の部位と症状

無症候性脳梗塞ともいいますが、実際は、梗塞部が

・1.5cmを超える場合

・梗塞部位が拡大融合すると症状として現れてきます

私の考えでは、無症候性というより、ただ、自分自身が気づいていないだけなんではないのかなぁと思います。

小さい梗塞なので、症状もほんとに微々たるもののため、すぐに他の正常組織が代償してくれるのだと考えます。

なんか調子が悪いけど気のせいかなぁという感じで病識がないのだと思います。

さて、ここでは症状が強くでてくるラクナ系の梗塞巣についてまとめてみます

 

無症候性脳梗塞の模式図

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(a)は点状の小血管周囲腔の拡大・小梗塞巣と考えます。基本的には正常像と考えます

(b)、(c)は preiventricular cap、periventricular rimと呼ばれ、病的な意義はありません。正常像と考えてください

(d)は白質虚血性病変とよばれ、拡大・融合すると脳機能の低下をもたらします。

(e)は側脳室後角周囲の白質病変で髄鞘化や血管周囲腔の拡大などによるものです。

(f)は側脳室前角周囲の病変で、拡大・融合すると知的機能障害や尿失禁などの原因とります。

(g)はsubinsular infacrct

(h)は基底核のラクナ梗塞または血管周囲腔の拡大になります。

 

ということで、注意すべき場所は (d)と(f)の領域に拡大・融合する病変がある場合は、症状が現れてきます。

私の印象では(f)にて前頭葉症状、尿失禁が現れることが多いと認識しています。

(d)ではその近くの皮質の症状があらわれていることが多いです。

 

拡大・融合とは?

臨床を経験する画像を並べてみました。

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赤〇で示したようなものを拡大・融合と呼びます。

他のものは、正常範囲(正常範囲の老化)と考えた方がいいと思います。

 

異常と考えるラクナ梗塞の症例

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頭頂葉の障害部位と症状 MRI・CT

頭頂葉の脳回

頭頂葉の障害部位と症状について

 

脳溝・脳回が同定できるようになったら、それを臨床に利用することが大事です。

なるべく簡単にまとめていきます。

 

左右どちらの脳でも現れる症状

主なものには構成障害、肢節運動失行、自己身体定位障害、把握障害、視覚性運動失調などがあげられます。

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おおむね上記のような形で認められることが多いようです。

これには障害発生部位などには個人差やまだ、脳機能にはわかっていないところもたくさんあります。

 

左半球の障害で現れる症状

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縁回・・・伝導失語(音韻、情報の把持の障害)

角回・・・失読失書

頭頂間溝・・・純粋失書

角回~縁上回~頭頂間溝・・・観念運動失行

縁上回~側頭後頭葉・・・観念失行

頭頂間溝~上頭頂葉小葉・・・失計算

その他

角回(急性期)・・・ゲルストマン四徴症

頭頂間溝ー上頭頂葉小葉・・・短期記憶障害(ワーキングメモリ)

 

右半球の障害で現れる症状

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縁上回・・・半身無視

縁上回~角回~側頭葉(皮質皮質下)・・・半側空間無視

角回~後部頭頂間溝・・・着衣失行

 

まとめ

頭頂葉の働きとして下図を参考に画像を読むと理解が深まります

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つまり

頭頂葉小葉の前側は、体性感覚の影響を受けた障害が現れる

後頭葉に近い場所の障害は、視覚の影響を受けた障害が現れる

角回や縁上回はいろいろな感覚が集まり集約されている場所なので、多岐にわたった障害が現れやすい。イメージをする場所として使われていると考えるといいかもしれません。

 

 

シルビウス裂(溝)の同定・探し方

シルビウス溝

シルビウス溝の同定

シルビウス溝にはとてもたくさんの脳回が関わっています。つまりとても大事な脳溝となります。裂とは深い溝のことなので、わりと画像から探しやすいのですが、分岐があったり、蛇行しているので複雑だったりします。

下記参照

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同定の仕方です

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頭のスライスは、中心溝とは違い、下の方の脳のスライスを利用して同定していきます。

 

巨神兵のいるスライス

下記の図のようにちょうど手の部分がシルビウス溝のはじまりと覚えてください。

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カブトガニのスライス

ちょうど胸びれがシルビウス溝です

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③ザリガニのスライス

ここはちょっと複雑です。なぜなら、シルビウス溝の分岐の枝が複数写っているからです。しかも、脳の中心部分です。ここは脳の機能において重要な部分なんです

下記の図を参考にし、しっかりと覚えましょう!

 

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わかりましたか?

上行枝とシルビウス溝の本幹が2本描出されています。

上行枝の周りは、ブローカ野になりますので、上行枝を同定できるとおのずとブローカ野がみつかることになります。つまり、上行枝が見えなかった場合は、ブローカ野の障害があると考えることができます

 

④ソラマメのスライス

シルビウス溝の最後はソラマメのスライスが写っているスライスがおおむね最終です。ただ、個人差はあります。

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